あたたかい一品から考える、秋のおもてなし

秋になって、少しずつ人を招く機会が増えてくると、こんなふうに悩むことはないかしら?

せっかく来てもらうのだから、季節を感じる料理を用意したい。
でも、何品作れば十分なのかわからない。
温かい料理を出したいけれど、当日ずっとキッチンに立つのは大変そう。
できれば、みんなと一緒に食卓を囲みたい。

おもてなしのメニューを考え始めると、あれもこれも作った方がいいような気がして、かえって決められなくなってしまうことがあります。

でも、人を招く日のメニューは、最初からたくさんの料理を考えなくても大丈夫なんですよ。

暑さが少し落ち着いてくると、温かい料理がおいしく感じられるようになります。

オーブンで焼いた料理。
ことこと煮込んだもの。
湯気の立つスープ。
大皿に盛った温かいメイン。

そういう料理がテーブルにひとつあると、秋の食卓らしくなりますね。

なので私は、空気が少しひんやりしてきた頃に人を招く時は、まず「温かい一品」から考えるのがいいと思っています。

チキンポットパイを中心にした秋のおもてなし料理

まず、食卓の中心になる料理を決める

人を招く日のメニューは、まず食卓の中心になる料理をひとつ決めると考えやすくなります。
アイデアがバラバラの状態で全部を決めようとすると、あれもこれも方向が定まらなくて、ちょっと大変。

まず決めることはひとつ!

その日の食卓の中心になる、温かい一品です。

ローストチキンでも、グラタンでも、煮込み料理でも、温かいパスタでもいい。
「今回はこれをみんなで食べよう」という料理をひとつ決める。

そこが決まると、ほかの料理はずいぶん選びやすくなります。例をあげましょう。

しっかりしたメインなら、前菜は軽く。
たとえば、ローストチキンに、グリーンサラダとパン。
グラタンに、酸味のあるキャロットラペ。
煮込み料理に、シンプルな葉野菜のサラダ。パンやごはんを添えて。
温かいパスタに、冷たい前菜をひとつ。
オーブン料理なら、焼いている間に出せる冷たい一品を用意できますね。

主役になる温かい一品があれば、あとはその料理を気持ちよく食べるためのものを添えていく。
そのくらいに考えると、メニュー作りは少し楽になります。

品数よりも、食卓での役割を考える

おもてなしというと、どうしても品数を増やしたくなりますよね。

テーブルが寂しく見えないかな。
足りなかったらどうしよう。
せっかく来てくれるのだから、いろいろ作りたい。

私もやってしまうことだから、すごくよくわかるの。

でも、食卓を楽しくしてくれるのは、品数そのものではないとも思っています。

温かいものばかりが並ぶと、ホストは出すタイミングに追われて結構大変だし、主役級のお料理ばかりだと、食べる方も少し疲れてしまいます。
そしてよくあるのが、作り慣れない料理をいくつも入れること。これは当日、とってもあわただしくなってしまいます。

そんな時は、「その料理が食卓で何をしてくれるか」に戻って考えると、メニューが決めやすくなります。
近いうちにおもてなしの予定がある方は、ご自分のメニューに置き換えながら、一緒に考えてみてくださいね。

  • メイン:食卓の中心になるもの。今回は、これを一番最初に決めます。
  • 前菜:最初にサッと出せるもの。メインを温めている間に、ドリンクと共にゲストに軽く楽しんでもらいましょう。
  • サラダやマリネ:食事の合間に、口の中をさっぱりさせるもの。
  • 炭水化物:お腹を満たすもの。ごはんやパン、パスタなどですね。
  • デザート:最後に少し甘いもの。

この役割がなんとなく分かれていると、満足感のある食卓になります。

たとえば、温かいメインに、前菜はディップやフィンガーフード、ナッツなど。サイドはさっぱりしたサラダやマリネで。デザートも、難しいものを作らなくても、焼き菓子やフルーツ、おいしい市販品でいい。

おもてなしは料理をたくさん並べることよりも、一緒に食べる時間が心地よくなるように、メニューやテーブルを整えることだと思っています。

温かい一品は、いつもの料理でいい

人を招く日だからといって、特別な料理を一から考えなくてもいいんです。

普段の食卓で何度か作っている料理の方が、安心して出せるでしょう?

いつも作っているグラタンを少し大きな耐熱皿で焼いたり、家族に好評だった煮込み料理をパンやサラダと一緒に出したり。よく作るチキン料理を大皿に盛って、ハーブを散らしてもいいですね。

それだけで、いつもの料理が人を招く日の一品になります。

作り慣れている料理には、ちゃんとおいしくできるかな、と心配しなくていい安心感があります。

火加減も、味の加減も、どのくらい前から準備できるかも、なんとなく分かっている。
この「なんとなく分かっている」という感覚が、人を招く日にはとても助けになります。

初めて作る料理ばかりだと、どうしても緊張します。

ちゃんと焼けるか、時間通りに出せるか、そして、ちゃんとおいしいか。
でも、作り慣れた一品なら、こんな心配をしなくていいのです。

アロハデイズキッチンで大切にしているのは、まさにこういうことです。

普段の食卓で何度も作りたくなる料理を、自分の定番にしていく。
その積み重ねが、人を招く日にも余裕と自信を生んでくれます。

秋の食卓は、組み合わせが楽しい

秋は、メニューを組み合わせるのが楽しい季節。
きのこ、かぼちゃ、さつまいも、りんご、洋梨、ナッツ。
少し秋らしい食材をひとつ入れるだけでも、食卓が楽しくなりますね。

温かい料理を中心に、軽いもの、さっぱりしたもの、作っておけるものを少しずつ合わせていけば、秋らしい食卓になります。

ADKCのレシピで考えるなら、レモンハーブ・ローストチキンを中心に、洋梨とクルミのサラダとフォカッチャを合わせる。

BBQポークリブのようなしっかり味のメインなら、キャベツのレモンマリネやクラムディップを添える。

チキンポットパイのようなクリーム系の温かい一品なら、オレンジキャロットラペやきのこのマリネのように、酸味や軽さのあるものを合わせる。

さて、今回のテーマをまとめてみましょう。
こうして見ると、メニューは温かい主役に何を添えるかで考えると決めやすくなるのがわかると思います。

温かい一品を、当日の主役に。
前菜やサラダは、先に用意しておく。
デザートは、作っておけるものや、簡単に出せるものを選ぶ。

そうやって役割を分けて段取りを決めておくと、ホスト自身もテーブルに座る時間を作りやすくなります。

キャンドルを灯したテーブルセッティング
食卓を整えておくと、料理を出す前の時間も楽しみやすくなります。

人を招く日は、一緒に食べる時間を楽しむ日

人を招く日は料理を完成させる日ではなく、一緒に食べる時間を楽しむ日です。

もちろん、おいしいものを用意したい。
せっかくなら喜んでもらいたい。
そう思って準備する時間も、おもてなしの楽しさのひとつです。

でも、ホストがずっとキッチンに立っていて、テーブルに座る時間がほとんどないとしたら、少しもったいないですよね。

温かい一品を決めて、そこから無理なく組み立てる。
作り慣れた料理を中心にする。
冷たいものや、作っておけるもの、時には市販のおいしいものを味方につけちゃう。

それだけで、人を招く日の食卓はずいぶん楽になります。

AlohaDays Kitchen Clubでは、レシピ動画だけでなく、こうした食卓の組み立て方や、人を招く日の考え方も少しずつお届けしていきます。

何を作るかだけでなく、どう組み合わせるか。
どう準備すれば、当日を気持ちよく迎えられるか。
普段の料理を、人を招く日の自信につなげていくこと。

そんな食卓づくりを、これからも一緒に育てていけたら嬉しいです。

オンライン料理教室アロハデイズキッチンクラブ(ADKC)では、普段の食卓にも、人を招く日にも使えるレシピを少しずつ増やしています。
どんな料理を紹介しているか、よかったらこちらからのぞいてみてくださいね。